人より音や言葉に敏感で、ちょっとしたことに心が揺れてしまう。そんな「繊細さん」にとって、仕事の場はときに過酷な戦場のように感じられることがあります。私自身も40代で営業職をしていた頃、同僚や上司との関係、顧客対応で消耗しきり、「このまま続けて大丈夫なのか」と悩んでいました。この記事では、当時の状況、そこから抜け出すために実際に試した小さな行動、そして結果的にお金の使い方や資産形成にまでつながった経験を詳しくお話しします。
当時の状況と悩み
40代前半の私は、会社の営業部門で日々走り回っていました。月に平均して20件以上の顧客訪問があり、社内の会議も週に4〜5回。数字のプレッシャーはもちろん、顧客の言葉や上司の表情のちょっとした変化に敏感に反応してしまい、常に緊張状態でした。
例えば、上司に「この資料、もう少し工夫できない?」と言われると、「自分は無能だと思われているのでは」と頭の中で膨らんでしまう。夜寝る前にその言葉を思い出して眠れなくなることも多々ありました。睡眠時間は5時間を切る日が続き、翌朝は体が重くて出社するのが苦痛。それでも「頑張らなければ」と自分を追い込み、さらに疲弊していく悪循環でした。
家計にも影響が出ていました。ストレスを発散しようと、帰宅途中でコンビニに立ち寄り、お菓子や雑誌、アルコールをつい買ってしまう。月末にクレジット明細を見ては「またこんなに使ってしまった」と後悔していました。無駄遣いは平均で月2〜3万円。年間にすると30万円以上がただ消えていく状態です。心も財布もボロボロでした。
私がやったこと
そんな状況を変えたいと強く思ったものの、性格や気質を急に変えることはできません。そこで私は「気質を否定せず、できる範囲で環境を調整する」ことを意識しました。具体的には次の3つの行動です。
行動1:午前中は自分の作業時間にする
私は朝から人と話すと一気に疲れてしまうタイプでした。そこで、なるべく午前中は自分の作業に集中できる時間を確保するように上司に相談しました。完全には無理でも、週に2日でも午前中に顧客訪問を入れないようにできると、疲労度が大きく違いました。メールや資料作成を午前に片付けることで午後に余裕が生まれ、顧客対応にも前向きになれました。
行動2:雑談の「終わり方」を決めておく
人との雑談もエネルギーを消耗する場面でした。特に、ダラダラと続く職場の世間話は頭が重くなる原因でした。そこで「5分話したらトイレに行く」「次の予定を理由に切り上げる」と自分なりのルールを決めました。これを繰り返すうちに、相手も「この人はこういうタイプなんだ」と理解してくれるようになり、関係を壊さずに済みました。
行動3:お金の使い方を意識的に変える
ストレス発散の無駄遣いが大きな悩みでした。そこで「財布に入れる現金は1週間で5,000円まで」と決めました。買い物の前に「これは本当に必要か?」と自問するようになり、衝動買いが減りました。その結果、月1〜1.5万円は自然に浮きました。浮いたお金をただ貯めるだけでなく、「未来にまわせた」という達成感が心の支えにもなりました。
そこで得た気づき(マインドの変化)
これらの小さな行動を積み重ねるうちに、私は次のような気づきを得ました。
第一に、「周りは自分が思うほど自分を見ていない」ということです。雑談を早めに切り上げても、意外と誰も気にしていませんでした。これは大きな安心感につながりました。
第二に、「完璧でなくても良い」という認識です。以前はメール1通に30分以上かけていましたが、「まず3分で下書きを書く」とルールを決めたことで時間が短縮され、精神的な負担も減りました。相手からの反応も特に悪くなく、「力を抜いても大丈夫なんだ」と分かりました。
第三に、「自分の気質は欠点ではなく特徴」だと受け入れられるようになったことです。無理に強くなろうとするのではなく、弱さを前提に工夫する。この姿勢が長続きする秘訣だと感じました。
節約と資産形成につなげた話
心に余裕が出ると、お金の管理にも意識が向くようになりました。浮いた月1〜1.5万円を「どうせなら将来の安心につなげたい」と考え、以下のように振り分けました。
- 積立NISAで月5,000円を投資信託に回す
- 会社のDC年金に月3,000円を追加拠出
- 仮想通貨に月2,000円の少額積立を試す
- 残りは定期預金として安全に確保
もちろん、投資にはリスクがありますし、将来の成果は分かりません。ただ「お金をただ使うだけ」から「お金に役割を持たせる」ようになったことが、私にとっては大きな進歩でした。精神的な安心感も、「少しずつ未来に備えている」という実感から生まれました。詳細は必ず公式サイトや専門家に確認するようにしました。
チェックリスト:今日からできる一歩
- 午前中は自分の作業にあてる時間を確保してみる
- 雑談の「終わり方」をあらかじめ考えておく
- 財布に入れる現金を週5,000円までに制限する
- メールや資料は「まず3分で下書き」から始める
- 無駄遣いが減った分を積立に回すシミュレーションをしてみる
- 「気質だから工夫でカバーできる」と自分を肯定する言葉を持つ
- 焦らず「できたこと」を小さく積み重ねる
まとめ
「繊細さん」であることは、決して欠点ではありません。敏感さは相手の気持ちに気づける強みでもあります。ただ、その敏感さが自分を苦しめるときは、環境や習慣を少しずつ調整していくことが大切です。私自身、小さな工夫を積み重ねることで心の余裕を取り戻し、さらにお金の使い方まで改善できました。もちろん状況は人それぞれですが、あなたにも必ず「今日からできる小さな一歩」があるはずです。自分を責めず、少しずつ前に進んでいきましょう。
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