営業職、4人家族。残業は1日1時間程度という「特別暇ではないが絶望的に忙しくもない」日々の中で、私はFP3級を皮切りに、FP2級、宅建(宅地建物取引士)、管理業務主任者と、4つの資格を通算約5年かけて取得しました。結論から言うと、最初に難しい資格に挑んでいたら、私は途中で挫折していたと思います。まずFP3級という「軽い成功体験」を積んでから難易度を上げていったことが、5年間走り切れた一番の理由でした。
👤 筆者の体験・属性
この記事は、営業職として働きながらFP3級・FP2級・宅建・管理業務主任者を取得した筆者自身の経験をもとに書いています。
【属性・実績】50歳・4人家族/営業職・残業1日1時間程度/通算約5年で4資格を取得/宅建は3回目の受験で合格
📌 この記事でわかること
- 忙しい営業職が、通勤時間や朝の時間を使って資格を積み上げた方法
- 宅建に2回落ち、3回目で35点で合格するまでの過程
- 小さな成功体験(FP3級)から難易度を上げていくことの効果
きっかけ・背景
営業として働き始めて20年以上が経ち、仕事は一通りこなせるようになっていたものの、「専門知識として人に説明できる強みがない」ことがずっと引っかかっていました。残業は1日1時間程度で、絶望的に忙しいわけではない。だからこそ「時間がないから」を言い訳にできない自分にも気づいていました。
最初から宅建や管理業務主任者のような難関資格を目指す自信はありませんでした。そこでまず選んだのが、生活に直結していて取り組みやすいFP3級でした。
Before:勉強する習慣がゼロだった
資格試験の勉強を始める前の私は、机に向かう習慣がほぼゼロでした。学生時代の受験勉強以来、まとまった時間を勉強に使ったことがなく、「今さら参考書を開いても頭に入らないのでは」という不安の方が大きかったのを覚えています。
通信講座の教材を最初に開いたときも、正直かなり気後れしました。FP3級ですら「これを最後まで終えられるだろうか」と思っていたくらいです。
Before
勉強習慣ゼロ
机に向かう時間0分/日
After
通勤・朝時間が学習時間に定着
1日30〜60分
実際にやったこと
YouTubeの解説動画で概要をつかみ、通信講座の教材で演習するというサイクルを、4資格すべてで一貫して使いました。時系列で振り返ります。
1. FP3級(約3ヶ月)自信をつけるための最初の一歩
通勤時間(片道約30分)にYouTubeで単元ごとの解説動画を聞き流し、休日に通信講座の問題集を解くだけの、負荷の軽い学習から始めました。生活に直結する内容だったので苦痛は少なく、約3ヶ月で無理なく合格。この「やればできた」という感覚が、その後の学習の土台になりました。
2. FP2級(約5ヶ月)勉強のリズムを本格化
FP3級の勢いのまま、半年ほど期間を空けてFP2級に着手。3級よりも一段難しくなったため、平日は通勤時間の動画視聴に加えて朝30分早起きして問題演習をする時間を追加しました。休日は通信講座の添削課題にまとめて取り組みました。
3. 宅建(3回受験・実質2年半)最も苦労した資格
FP2級の後、勢いに乗って挑んだのが宅建でした。ところがここで最初の壁にぶつかります。1年目は32点で不合格、2年目は33点で不合格。あと数点足りずに落ちる年が続き、「今年は手応えがあったのに」と自己採点のたびに落ち込みました。何度も心が折れかけました。
宅建の通信講座には、3年間でトータル約15万円を投じています。安い投資ではなかったからこそ、簡単には諦められないという気持ちもありました。
直前期にやり方を変えたのが転機でした。過去問の論点を見た瞬間に、正解・不正解の理由まで含めて口頭でスラスラ言えるようにするというトレーニングを自分に課したのです。通勤中や移動中に、頭の中で「この論点は◯◯だから✕、なぜなら〜」と説明できるかを自問自答する、いわば口頭アウトプットの練習でした。
その結果、3回目の受験で合格点ギリギリの35点で合格。2回落ちてからの合格通知は、これまでの資格の中で一番うれしいものでした。
4. 管理業務主任者(約4ヶ月)宅建の貯金で乗り切る
宅建と管理業務主任者は、民法や区分所有法まわりの出題範囲が重なる部分が多く、宅建で叩き込んだ知識がそのまま使えました。おかげでここまでの2資格に比べると精神的な負担はかなり軽く、宅建合格の翌年、約4ヶ月の学習で合格できました。管理規約や標準管理委託契約書など独自の論点は、宅建のときと同じくYouTubeでインプット→通信講座で演習というサイクルで対応しました。
変化した4つのこと
資格手当が月1万円ついた
FP2級・宅建・管理業務主任者の取得により、会社の資格手当制度の対象となり、合計で月1万円が給与に上乗せされるようになりました。金額としては大きくなくても、5年間の積み重ねが数字として返ってくる感覚は励みになりました。
宅建の点数が32点→33点→35点と積み上がった
1年目32点、2年目33点、3年目35点。合格基準点にわずかに届かなかった2年間があったからこそ、「毎年何が足りないか」を分析する習慣がつきました。結果的に3回目で合格点をクリアできています。
口頭で説明できる学習法が身についた
宅建の直前期に始めた「論点を口頭でスラスラ説明できるようにする」学習法は、その後の管理業務主任者の勉強でもそのまま使えました。知識を覚えるだけでなく、人に説明できる状態まで仕上げる習慣が定着したのは大きな変化です。
営業先での説明力が上がった
不動産や資産に関わる話題が出た際、FPや宅建の知識をもとに具体的に説明できるようになり、顧客との会話の幅が広がりました。数字では測りにくい部分ですが、体感として営業トークの引き出しが増えました。
💡 体験してわかったこと
資格手当や点数のような目に見える数字だけでなく、「口頭で説明できるまで仕上げる」という学習の型そのものが、一番の資産になりました。
失敗した点・苦労した点
一番苦労したのは、やはり宅建で2年連続、あと数点で不合格になったことです。3回目の受験を決める前、正直「営業の仕事に集中して、資格は諦めようか」と考えた時期がありました。
「今年は手応えがあったのに落ちる」というギリギリの不合格は、大差で落ちるよりもメンタルへのダメージが大きいと感じます。ただ振り返ると、2回の不合格があったからこそ「間違えた論点を口頭で説明できるようにする」という自分なりの学習法にたどり着けたとも言えます。遠回りではありましたが、無駄ではありませんでした。
こんな人におすすめ/向かない人
資格取得の勉強がまったく初めての人、いきなり難関資格に挑む自信がない人には、まず易しい資格で成功体験を作ってから難易度を上げていくこのやり方が向いていると思います。逆に、短期間で1つの資格に集中して一気に取り切りたい人や、すでに勉強習慣が確立している人にとっては、遠回りに感じられるやり方です。
よくある質問
Q1. 忙しい営業職でも資格の勉強時間は作れますか?
A. 残業1日1時間程度の中でも、通勤時間(片道30分程度)と朝30分の早起きを学習時間に固定するだけで、まとまった勉強時間がなくても積み上げは可能でした。
Q2. なぜ最初にFP3級を選んだのですか?
A. いきなり宅建のような難関資格に挑む自信がなく、生活に直結していて取り組みやすいFP3級で「やればできる」という感覚を先につかみたかったからです。
Q3. 宅建に2回落ちてもモチベーションを保てたコツは?
A. 正直、何度も諦めかけました。支えになったのは、3年間で約15万円かけた通信講座への投資と、あと数点で落ちているという手応えでした。
Q4. 独学と通信講座、どちらがおすすめですか?
A. 私はYouTubeの無料動画で概要をつかみ、通信講座で問題演習と添削を受けるという組み合わせを4資格すべてで使いました。インプットは無料の動画、アウトプットは講座、という役割分担が自分には合っていました。
Q5. 3資格を取って一番よかったことは何ですか?
A. 資格手当という数字はもちろんですが、それ以上に「小さな成功から始めて、難易度を上げていく」という進め方が自分に合っているとわかったことです。
まとめ
営業職の私は、FP3級という小さな成功体験から始め、FP2級、宅建、管理業務主任者へと難易度を上げながら、通算約5年で4つの資格を取得しました。宅建では2年連続であと一歩届かず、心が折れかけた時期もありましたが、通勤時間や朝の時間を学習に固定する習慣と、口頭で論点を説明できるようにする直前期のやり方が、最終的な合格につながりました。忙しい毎日の中で資格に挑む人にまず伝えたいのは、いきなり難しい資格に挑むのではなく、小さな成功体験から始めることの大切さです。
【免責事項】本記事は筆者個人の体験に基づく内容です。学習方法や結果を保証するものではなく、実際の効果は個人の状況により異なります。資格取得や資格手当の制度については、勤務先や各試験実施団体に個別にご確認ください。

