窓際FIREと静かな退職の違いとは|40代サラリーマンの体験談

仕事

「窓際FIRE」と「静かな退職(Quiet Quitting)」という言葉を聞いたことがありますか?どちらも会社との距離感を変える生き方のヒントですが、意味は少し違います。私自身、40代で仕事のやりがいを失いかけ、いわゆる窓際ポジションに置かれたとき、心の支えになったのがこの考え方でした。この記事では、私のリアルな体験談を通じて両者の違いを整理しつつ、どう資産形成につなげたかを共有します。

当時の状況と悩み

40代に差しかかったある年、私は突然“窓際”に追いやられた感覚を味わいました。大きな案件から外され、任されるのは細かな資料作成や補助的な雑務ばかり。かつては月80時間を超える残業で必死に働いていたのに、今では夕方にはやることがなくなり、デスクで時間を持て余す日が増えました。

表面上は「楽になったね」と同僚に言われるものの、心の内は複雑でした。「もう必要とされていないのでは?」という焦燥感でいっぱいになり、家に帰れば気分は沈み込み、妻や子どもに当たってしまうことも。給料は額面で月45万円ほど。手取りは35万円前後で、住宅ローン10万円、子どもの塾代5万円、車の維持費3万円などを差し引くと、貯金に回せるのは数千円程度。未来に対する漠然とした不安が、心身をじわじわ蝕んでいきました。

さらに健康診断では血圧が上昇し、医師からも「生活を見直さないと将来危ない」と言われました。仕事での存在意義を見失い、家計にも余裕がなく、健康まで黄色信号――この三重苦に悩まされていたのが当時の私です。

私がやったこと

そんな折に耳にしたのが「静かな退職(Quiet Quitting)」と「窓際FIRE」という言葉でした。どちらもネット記事やSNSで話題になっていて、「これは自分の今の状況と重なるのでは?」と関心を持ちました。

静かな退職は“最低限の仕事はこなすが、それ以上は会社にエネルギーを注がず、自分の人生を優先する”スタンス。一方の窓際FIREは、“会社に席を置きながら、資産形成で実質的に自由度を高める”生き方です。似ているようで少し違うこの二つを、自分なりに取り入れることで、少しずつ前を向けるようになったのです。

行動1:業務に線を引き、自分の時間を確保

まず実践したのは「残業をやめる」こと。以前は頼まれたら断れず、夜9時や10時まで働くのが当たり前でしたが、ある日から「定時で帰る」と決めました。最初は上司や同僚の視線が気になりましたが、思い切って線を引いたら、意外にも周囲はそれほど気にしていませんでした。余った時間は資格の勉強やウォーキングなど、自分のために使えるようになり、少しずつ心が回復していきました。

行動2:固定費を徹底的に見直す

次に取り組んだのが家計改善です。スマホを大手キャリアから格安SIMに乗り換え、月額8,000円から2,000円台に。保険も見直し、重複していた特約を解約。車も2台持ちをやめて1台にした結果、ガソリン代や駐車場代も減りました。トータルで月2万円近くの節約に成功。この金額を「資産形成の種銭」と位置づけました。

行動3:資産形成を少額から習慣化

浮いたお金で積立NISAを月20,000円、DC年金にプラスで月10,000円、さらに仮想通貨の少額積立を5,000円だけ試すことにしました。もちろん値動きのリスクは承知していますが、「小さく始めて続ける」ことを優先。10年単位で見れば、少しずつでも積み上がる安心感が得られると考えました。

そこで得た気づき(マインドの変化)

これらを続けるうちに、「会社に必要とされていないのでは」という不安が、「会社に依存しすぎていたのかもしれない」という気づきに変わっていきました。以前は出世や評価を最優先にしていましたが、今は「家族と過ごす時間」「自分の健康」「お金の使い方」の方が大切だと実感しています。

また、「窓際FIRE」という言葉に込められた意味を、私はネガティブではなくポジティブに捉えるようになりました。窓際にいても、自分で資産を育てれば“精神的な独立”はできる。会社からの扱いを気にするのではなく、自分がどう生きるかに意識を向けられるようになったのです。

節約と資産形成につなげた話

節約によって月2万円を投資に回せるようになったことは、私にとって大きな安心材料になりました。仮に年間24万円を10年間積み立てると240万円。さらにDC年金や積立NISAを合わせれば、老後資金の柱にもなります。もちろん将来のリターンは誰にも分かりません。ただ「何もしていない不安」と比べれば、「少しでも準備している安心感」の方が圧倒的に大きいのです。

静かな退職は「心の余裕」を作り、窓際FIREは「お金の余裕」を作る。両方を意識することで、精神的にも経済的にも少しずつバランスが取れるようになったと感じます。詳細や最新の制度については、必ず公式情報をご確認ください。

チェックリスト:今日からできる一歩

  • 定時で帰る日を「週に1日」だけでも作ってみる
  • スマホ代や保険料を見直し、無駄を減らす
  • 自分の時間を使って散歩や読書などを習慣化する
  • 浮いたお金を積立NISAやDC年金に小額でも回す
  • 「比べる相手は他人ではなく過去の自分」と意識する
  • 収入の柱を会社一本にせず、副業やスキルアップを検討する
  • 体調管理を最優先にし、長く働ける土台を整える

まとめ

「窓際FIRE」と「静かな退職」は、会社に振り回されず自分の人生を取り戻すための二つのアプローチです。私自身、どちらか一方ではなく両方を参考にしたことで、気持ちが楽になり、同時に資産形成にもつながりました。

もちろん、状況や価値観は人それぞれ。無理に真似をする必要はありません。ただ、「会社に頼り切らない生き方がある」という視点を持つだけでも、見える景色は大きく変わると思います。今日からできる小さな一歩を、自分なりに取り入れてみてください。

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