節約するために保険はいらない?常識を見直した体験談

節約

「保険は手厚く入るのが家族の責任」。ずっとそう信じていました。一方で、家計簿を見るたびに固定費の重さに息が詰まる。必要と節約のあいだで揺れ、どちらを選んでも不安が残る――そんな停滞が続きました。同じ悩みを抱える人も多いのではないでしょうか。本記事では、私が情報を集め、自分の基準を作り、「最低限の掛捨て」に絞った過程と、その後の家計・気持ちの変化を、具体的な行動とともにお伝えします。

この記事で得られるメリット
  • 「保険=手厚いほど安心」という常識を分解し、必要・不要の線引きができる
  • 公的保障を踏まえて最低限に整理する思考手順と比較観点がわかる
  • 浮いた固定費をムリなく資産形成へ回す具体策(つみたてNISA・DC年金)

当時の状況と悩み

家族が増えたタイミングで、私は「保障を厚くすべきだ」という周囲の言葉に強く影響されていました。同時に、住宅費や教育費の見通しが現実味を帯び、固定費の積み上がりに不安が募る時期。保険の提案書はどれも立派で、読めば読むほど「備えない恐怖」が刺激され、条件反射的に加入したくなる一方、毎月の数字を見ると足が止まる。必要と節約のはざまで、結論が出せず時間だけが過ぎていきました。

職場で直面した具体的な出来事

職場の雑談で「うちは保険だけで月3万円」と聞き、内心ざわつきました。自分の加入状況と見積金額を並べると、もし同レベルに引き上げれば、食費と通信費の合計に匹敵する負担増。提案書の「万一の安心」を読むと心が揺れ、家に帰って家計簿を開くと現実に引き戻される。安心と負担がシーソーのように動き、判断の軸が見えなくなっていました。

家計や生活への影響

「とりあえず加入」で積み上がった固定費は、翌月の貯蓄額を確実に圧迫しました。ボーナスで穴埋めしようとすると、将来のための積立に回るはずの余力が削られる。旅行や子どもの体験への支出を我慢する場面も増え、「安心を買うはずが、暮らしの楽しみを手放しているのでは?」という違和感が育っていきました。

精神面で感じたサイン

「家族を持ったら保険は必要」と自分に言い聞かせていましたが、心の奥で「本当にここまで要る?」という声が消えない。提案書の“もしも”に反応して焦り、契約ボタンの前で手が止まる。保険を増やせば安心するはずが、増やすほど「払えるかな」という別の不安が増える。そのとき初めて、私は「情報不足の不安」と「固定費の不安」を混同していたことに気づきました。

私がやったこと

立ち止まって、まず学び直しました。YouTubeや書籍で保険の役割・種類・仕組みを把握し、公的保障や高額療養費制度の存在を整理。病気やケガの「頻度」と「金額」の観点で、何を保険で、何を貯蓄で対応するかを切り分けました。次に、家計のキャッシュフローと貯蓄額を出し、固定費の上限を設定。最後に、既契約のパンフレットを項目ごとに分解し、「自分の基準」に照らして残す/手放すを決めました。

具体的に取り組んだ3つの行動

行動1:小さく始めた対処

いきなり全面解約はせず、まずは「重複」と「オプション費用」から手をつけました。似た保障が二重三重になっていないか、日額型の給付は現実の入院日数と整合しているか、通院特約が家計効果に見合うかを確認。解約ではなく減額や特約外しで固定費を数千円ずつ削減し、心理的負担を最小に。ステップを細かく刻むことで、家族の同意形成もスムーズになりました。

行動2:生活習慣や思考の調整

「すべてを保険でカバー」は発想の癖でした。そこで、睡眠・食事・運動のルーティンを整え、そもそもの発生確率を下げる努力に投資。家電の延長保証や小さなリスクは自己負担で受け止めると決めると、必要以上の保障に手を伸ばさなくなりました。さらに「◯年以内の予見可能な出費は生活防衛資金で吸収」というルールを定め、保険の役割を“家計で吸収できない突発大損失の移転”に限定しました。

行動3:人との関わり方の工夫

営業トークだけで決めない仕組みも作りました。商品名を伏せて「保障目的」「保険料」「解約返戻の有無」などの要素で比較表を作成。第三者のFPに意見をもらい、家族会議では「不安を埋める」ではなく「基準に合う」を合言葉に。感情を尊重しながらも、最後は表に沿って判定する運用に替えたことで、判断の再現性が上がりました。

そこで得た気づき(マインドの変化)

認知の転換:比較よりも基準づくり

「みんな入っているから」から、「わが家の耐性と目的に合うか」へ。リスクは発生確率×損失額と家計耐性で測る、と決めた瞬間、商品名の魅力や周囲の加入状況に引っ張られにくくなりました。基準は、(1)家計で吸収できない損失か(2)公的保障では賄えないか(3)保険料に見合うか――この三つでシンプルにチェックします。

他者視点:任される範囲で価値を出す

保険は“万能の安心”ではなく、“特定リスクの移転”という道具。営業・FP・家族それぞれが異なる価値観を持つ前提で、役割分担を明確にしました。販売側の説明は商品の理解に、第三者は基準の妥当性に、家族は生活の納得感に。それぞれの視点を借りるほうが、過剰も過小も避けやすいと実感しました。

ルーティン化:迷いを減らす設計

年1回の「保障点検日」をカレンダー登録し、最新の収入・貯蓄・家族構成に照らして見直す運用に。判断はチェックリストと比較表で10分で終える。迷い続ける時間を減らす“仕組み化”が、精神的な安心感そのものでした。

お金との向き合い方

固定費が軽くなった分を、ただ余らせるのではなく“意図を持って”回しました。短期の安心は生活防衛資金、長期の選択肢は積立投資へ。ここでは、負担感を上げずに続けられた工夫をまとめます。専門的な制度や税務は変更され得るため、最終判断は必ず最新の公式情報で確認し、必要に応じて専門家へ相談してください。

無理のない支出管理

保険料の上限を家計比率で管理しました。たとえば手取りの◯%を目安にし、はみ出した分は「削る対象」。固定費の天井が見えるだけで、勧誘に揺れにくくなります。予算は家族共有の表に可視化し、更新履歴を残すことで「なぜ今はこれで良いのか」を後から説明できる状態を保ちました。

節約で浮いたお金の回し方

浮いた分は自動で先取り。例えば月3,000円程度でも、つみたてNISAに設定し、会社のDC年金の拠出も見直しました。少額でも“自動で続く仕組み”に乗せると、意思力に頼らず積み上がります。リスクを取る商品選択は各自の判断ですが、私は分散と長期の観点を意識し、短期値動きに一喜一憂しないためのルール(入金日固定・リバランス時期)を決めておきました。

情報源と注意点

情報は複数ソースでクロスチェック。動画やブログは入口として有益ですが、制度や手数料は公式情報で裏取り。商品比較は“期待できる価値”と“コスト”を同じ土俵(年換算)で比較し、特典・返戻率の数字は前提条件を必ず確認。体調や持病など個別事情も判断に影響するため、迷ったら金融・税務の専門家に相談する体制を整えました。

チェックリスト:今日からできる一歩

  • 現在の保険一覧を1枚に集約(目的・月額・更新年を記入)
  • 「家計で吸収できない損失か?」の三つの基準で仕分け
  • 重複特約とオプションを優先的に整理(外す・減額)
  • 高額療養費など公的保障を30分だけ確認しメモ化
  • 保険料の上限(手取り◯%または金額)を家族で合意
  • 浮いた額のうち月3,000円を“自動積立”に設定
  • 週末に2品だけ作り置きして外食頻度を1回減らす

まとめ

「節約したいのに、家族のために保険は要る」。この矛盾は、情報不足の不安と固定費の不安が絡み合うと長引きます。私は公的保障と家計耐性を起点に基準を作り、最低限の掛捨てへ整理することで、安心と自由度の両方を取り戻せました。大切なのは“みんな基準”ではなく“わが家基準”。小さく始め、仕組み化して、浮いた分を未来の選択肢へ回す。完璧を目指さず、続けられる設計にすることが、結局いちばんの安心につながります。

  • 比較よりも「基準」で選ぶと迷いが減る
  • 保険は“家計で吸収できない損失”に限定して使う
  • 見直しは解約一択でなく、減額・特約外しから
  • 浮いた固定費は自動で資産形成に回す
  • 制度・手数料は必ず公式で裏取り、必要なら専門家へ

食費節約は“意味がない”のではなく、“やり方次第で意味を持つ”。

この記事を書いた人
プロフィール画像

サトシ(営業マン/FP2級・宅建資格保持)

都内で会社員をしながら、日常の家計管理と資産形成を実践中。
過去に無理な節約で体調を崩した経験をきっかけに、
「暮らしの質を守りながらお金と付き合う」をテーマに情報発信しています。

プロフィールはこちらX(旧Twitter)

免責事項:本記事は筆者の体験・考え方の共有であり、特定の金融商品の勧誘・推奨を目的とするものではありません。将来の成果は保証されません。制度・税制・手数料等は変更され得るため、必ず最新の公式情報をご確認の上、ご自身の判断でご利用ください。必要に応じて税理士・FP等の専門家にご相談ください。

※本記事にはアフィリエイトリンクを含みます。リンクからのお申込み等により、筆者に成果報酬が発生する場合があります。編集内容・評価は筆者の体験に基づき中立性を維持しています。

コメント

タイトルとURLをコピーしました