上司から具体的な指示がないときの進め方
こんにちは。評価されない営業マンの会社依存卒業ブログ、運営者のサトシです。
上司から具体的な指示がないまま仕事を任されると、「この方向で合ってるのかな…」と毎日のように不安になりますよね。指示が曖昧な上司や、無責任に見える上司の下で働いていると、「自分だけが空回りしている気がする」「主体的に動けと言われても、どこまでやっていいのか分からない」とモヤモヤが溜まっていくと思います。私も以前、報連相のタイミングが分からず、上司の意図がつかめないまま提案書を3回作り直した週がありました。
この記事では、上司から具体的な指示がない状況で、私が実際に経験した悩みと、そこから抜け出すために試した行動をまとめています。単なる精神論ではなく、「週に何回確認したか」「どんな聞き方をしたか」「どのくらい手戻りが減ったか」といった具体的な数字も交えながら、自走力を高めつつ、上司との関係もこじらせないための現実的なやり方をお伝えします。あなたが今日から少しでも動きやすくなるように、ひとつの体験談として読んでもらえたらうれしいです。
- 上司から具体的な指示がない理由と背景を整理できる
- 手戻りやミスを減らすための質問・報連相の型が分かる
- 自走力を育てつつ無責任な上司に振り回されないコツを学べる
- 明日から使えるチェックリストとQ&Aで迷いを減らせる
問題|上司から具体的な指示がない日々の葛藤
まずは、上司から具体的な指示がないときに現場で何が起きているのかを整理します。私自身、営業として案件を任される回数が月20件を超えた頃から、「とりあえず頼むよ」「いい感じにまとめておいて」とだけ言われることが増えました。その結果、指示が曖昧なまま提案を進めてしまい、後から軌道修正が入って1日に1〜2時間の手戻りが発生することも珍しくありませんでした。
具体的出来事(数字・頻度)
当時の私は、月およそ20〜25件の法人案件を担当していました。そのうち週3件前後は、上司から「細かいところは任せるよ」とだけ言われ、ゴールも優先順位も曖昧なままスタートしていたんです。たとえば見積もり作成では、単価やオプションの線引きが共有されておらず、提出したあとに「いや、こういう想定じゃない」「このパターンはやらなくていい」と2回以上差し戻しされることもありました。
とくにきつかったのは、同じ上司からメールでは「とにかく値引きは抑えて」と言われていたのに、打ち合わせの場では「この案件は多少攻めていいから」と違う方針を出されるケースです。自分なりにバランスを考えて動いても、「なんでそう判断したの?」と後出しで指摘されると、自信が一気にしぼんでいきました。「これなら最初から方向性を決めてほしい」と思いながらも、当時はうまく言葉にできず、ただモヤモヤを抱え続けていました。
心身・習慣への影響(時間・回数)
こうした曖昧な指示が続くと、仕事だけでなく生活リズムにもじわじわ影響が出てきます。私は提案の手戻りが増えた時期、残業が月20時間→35時間に増えました。夜は「明日の指示はどうなるだろう」と考え続けてしまい、布団に入ってもスマホで資料を見返してしまう。結果的に、睡眠時間は6時間→4.5時間まで削られていました。
休日も完全には頭が切り替わらず、週1回の休みのうち半日はカフェで資料を直すことに費やしていました。家族との会話もどこか上の空で、「また仕事のこと考えてるでしょ」と言われることも増えました。今振り返ると、上司から具体的な指示がないことそのものよりも、「何度直しても正解が分からない状態が続くこと」がいちばんしんどかったんだと思います。
直近1〜2か月の「手戻り回数」と「残業時間」をざっくり数えるだけでも、今のしんどさを客観視しやすくなりますよ。
行動|指示がない環境で試した工夫
とはいえ、「上司が悪い」で終わってしまうと、現場の状況はほとんど変わりませんでした。そこで私は、まず自分の側からできることを整理し、「質問の仕方」「報連相の頻度」「たたき台の見せ方」を少しずつ変えていきました。大きな改革ではなく、1〜2週間単位で試せる小さな工夫を積み重ねたイメージです。
上司への確認質問をテンプレ化した3ステップ
最初に取り組んだのは、上司への質問をテンプレート化することでした。それまでは、モヤモヤした気持ちのまま「具体的にどうすればいいですか?」とだけ聞いてしまい、「それくらい考えてよ」と返されて終了…というパターンが週2回くらい起きていました。そこで、質問を以下の3ステップにまとめてから聞くようにしました。
1つ目は「目的の確認」です。「この提案のいちばんの目的は、既存の継続ですか?それとも新規拠点の開拓ですか?」と、まずゴールを1行で聞く。2つ目は「優先順位の確認」。たとえば「単価よりスピードの方が大事ですか?それとも逆ですか?」と選択肢で聞く。3つ目は「NGラインの確認」です。「この条件だけは外さない方がいいポイントはありますか?」と、やってはいけないことを先に聞くようにしました。
この3ステップ質問を始めてから、打ち合わせ前に取るメモは1件あたり5分ほど増えましたが、提案の大きな手戻りは週3件→1件まで減りました。曖昧な指示のまま進めるのではなく、自分から「ここだけは決めてください」と絞って聞きに行くことで、上司の負担も減り、会話もしやすくなった感覚があります。
より具体的な伝え方の例は、同じ悩みを書いた体験談である上司から返信こないときの3つの伝え方ルールでも詳しく紹介しています。メールやチャットの文面に悩むときは合わせて読んでみてください。
たたき台と報連相で主導権を取り戻した半年
次に意識したのは、「白紙で指示を待つ」のをやめて、たたき台を先に出すことでした。具体的には、提案資料やメールを作る際に、まず自分なりの案をA案・B案の2パターンに分けて作り、「どちらの方向に寄せた方が良さそうですか?」と聞くようにしたんです。この方法に変えてから、上司との打ち合わせ時間は1件あたり30分→15分に短縮されました。
同時に、報連相の頻度も見直しました。以前は、週1回の会議でまとめて報告していたのをやめ、1案件につき2〜3行のチャット報告を毎日夕方に送るスタイルへ変更しました。「今日ここまで進みました」「明日はここを詰めます」と進捗だけをコンパクトに書く。これを3か月続けた頃には、上司の方から「この部分はサトシくんの判断でいいよ」と言ってもらえることが増え、少しずつ主導権を取り戻せた実感があります。
同じテーマを掘り下げている上司が現場を知らないと感じたときの具体的な動き方でも、数字で見える変化の大切さを書いていますが、やはり「何となく楽になった」ではなく、「手戻りが○件減った」という形で可視化できると、上司も自分も納得しやすくなります。
定量変化(%/回数/時間)
まず、提案書や見積もりの再提出回数は、それまで週平均3件ほどあったものが、はっきりと1件前後まで減りました。単純計算でも、1件あたりの手直しに30分かかるとすると、週あたり1時間以上は浮いたことになります。月ベースで見ると、手戻り対応に使う時間が約4〜5時間減ったイメージです。
また、上司とのミーティング時間も変わりました。それまでは、週1回の定例会で60分話していたところ、事前にチャットで進捗を共有するようにした結果、会議時間は30〜40分で終わることが増えました。その分、生産的な作業にあてられる時間が増え、「1週間のうち集中して資料を作れる時間」が以前の3時間→5時間くらいまで伸びた感覚があります。
同じテーマを掘り下げている「上司が仕事しない!」と嘆く前に試したい3つの行動でも、数字で見える変化の大切さを書いていますが、やはり「何となく楽になった」ではなく、「手戻りが○件減った」という形で可視化できると、上司も自分も納得しやすくなります。
定性変化(感情・関係性)
数字以上に大きかったのは、自分の中の感情の変化でした。以前は、上司の名前がチャットに表示されるだけでドキッとしてしまい、メッセージを開くまでに数分ためらうこともありました。ところが、質問の型と報連相のリズムが決まってくると、「今日はここまで進めたから、あとは確認してもらうだけ」と思えるようになり、通知が来ても落ち着いて開けるようになりました。
上司との関係性にも変化がありました。「勝手にやった」と言われるのが怖くて、以前はどこかお伺いを立てるような話し方になっていましたが、今では「この範囲までは私の判断で進めてよいでしょうか?」と、線引きを提案できるようになりました。その結果、「そこまで考えてくれているなら、任せて大丈夫だね」と言ってもらえることが増え、評価面の会話でも「主体的に動けている」というフィードバックをもらえるようになりました。
上司の仕事ぶりにモヤモヤしたときの向き合い方については、別記事の「上司が仕事しない!」と嘆く前に試したい3つの行動でも触れています。「どうしてもイライラが収まらない」という場合は、そちらも合わせて読んでみてください。
「再提出回数」「会議時間」「集中できた時間」の3つを週ごとにメモしておくと、1〜2か月後に小さな前進を実感しやすくなります。
学び|同じ悩みを繰り返さない仕組み化
ここからは、「たまたまうまくいった」で終わらせないために、私が試した仕組み化の工夫をまとめます。ポイントは、感情だけでなく事実と数字をベースに、上司とのコミュニケーションを設計し直すこと。そして、自分の中にも「迷ったときの判断基準」を持っておくことです。
仕組み・チェックリスト・指標化
まず取り組んだのは、「曖昧な指示が来たときのチェックリスト」を紙1枚にまとめることでした。たとえば、指示を受けた直後に必ず3つの質問(目的・優先順位・NGライン)を投げる、着手前に「ゴールイメージを1〜2行でメモする」、進捗報告は1案件あたり2回までなど、自分なりのルールを見える化しました。
同時に、「これは必ず数字で残す」と決める指標も絞りました。私の場合は、①1件あたりの作業時間、②再提出回数、③上司との打ち合わせ時間の3指標だけを、週末に10分かけてノートに書き出すようにしました。これを3か月続けると、「この上司にはここまで決めてもらえば十分」「このパターンの案件は事前確認を1回増やした方がいい」といった傾向が見えてきます。
メンタル面がきついと感じたときは、厚生労働省が運営している働く人のメンタルヘルスサイト「こころの耳」の情報も参考にしていました。ストレスチェックや相談窓口についての解説もあるので、「これは一人で抱えすぎかも」と感じたときは、詳しくは公式サイトも確認してみてください。
よくある質問Q&A:指示がない上司への向き合い方
- Q1. 上司から具体的な指示がないのは、期待されているから?無関心だから?
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どちらの可能性もありますが、最初から決めつけない方が安全だと思っています。私の場合、最初は「放置されている」と感じていましたが、実際には単に忙しくて細かいところまで手が回っていなかった、というケースが7〜8割でした。まずは3つの質問で目的・優先順位・NGラインを確認し、その反応を見てから上司のスタンスを判断するのがおすすめです。
- Q2. どのくらいの頻度で確認・報告しても大丈夫?
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目安としては、「1案件につき着手前1回+途中1回+完了1回」の合計3回くらいがちょうどよかったです。毎日のように細かく聞きすぎると、上司も「任せづらい」と感じてしまいますし、逆にまったく報告しないと「何をやっているか分からない」と不安にさせてしまいます。ミニマムな報告を習慣化することで、お互いの安心感が少しずつ積み上がっていきます。
- Q3. どうしても上司のスタイルが合わないときは、転職を考えるべき?
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半年〜1年ほど自分側の工夫を続けてもまったく改善が見られず、心身の不調が強くなってきたら、部署異動や転職を含めて環境を変える選択肢も視野に入れてよいと思います。その前に、厚生労働省の総合労働相談コーナーや、お住まいの自治体の労働相談窓口(たとえば東京都の東京都労働相談情報センター(労働相談の窓口))で相談してみると、客観的なアドバイスが得られます。正確な制度や相談先については、必ず各公式サイトの最新情報も確認してください。
「半年試してダメなら環境も選び直す」と最初に決めておくと、1〜6か月のあいだは目の前の工夫に集中しやすくなります。
チェックリスト|上司の指示がないときの行動
ここまでの内容を踏まえて、「上司から具体的な指示がない」と感じたときに、明日から使えるチェックリストをまとめます。すべてを完璧にやる必要はなく、まずは1〜2項目から試してみて、慣れてきたら少しずつ増やしていくイメージで大丈夫です。
- 指示を受けたら「目的・優先順位・NGライン」をその場で3つ確認する
- 1案件につき、着手前・途中・完了の3タイミングで短く報連相する
- たたき台のA案・B案を用意し、「どちら寄りがよいか」で上司に意見をもらう
- 週1回、手戻り回数・会議時間・集中できた時間を10分だけ振り返る
- モヤモヤした感情は1日3行だけノートに書き出して、頭の中を整理する
- 3か月ごとに「この上司とは何がうまくいっていて何がズレているか」を振り返る
- 心身の不調が続くときは、会社外の相談窓口や公的機関も候補に入れておく
チェックリストは7つ全部やろうとせず、まずは今週取り組む2つに丸印をつけるだけでも、1週間の動き方がかなり変わってきます。
まとめ|上司の具体的な指示がない環境を味方にする
上司から具体的な指示がない状況は、最初はただのストレス源にしか思えませんでした。指示が曖昧なまま仕事を進め、あとから大きな修正が入り、残業も増えていく…。私もそんな毎日を1年以上続けていた時期があります。でも、質問の仕方と報連相のやり方を少しずつ変えていく中で、「これは自分の成長のトレーニングにもなっている」と感じられるようになりました。
具体的には、目的・優先順位・NGラインの3点を必ず確認する、1案件につき3回だけ報連相する、たたき台をA案・B案で出す、といった小さな工夫を積み重ねることで、手戻りは減り、会議時間も短くなり、何より自分の中の不安が少しずつ薄れていきました。上司のスタイルをすべて変えることはできなくても、「自分側の設計」を変えることで、仕事の進めやすさは確実に変えられると実感しています。
もし今、上司から具体的な指示がないことで悩んでいるなら、「自分だけがダメなんだ」と責める必要はまったくありません。同じように悩んでいる人はたくさんいますし、私もその一人でした。大事なのは、今日からできる小さな一歩を決めることです。たとえば、「次の打ち合わせでは3つだけ質問する」「今日の夜、手戻り回数を数えてみる」など、15分以内で終わる行動から始めてみてください。
「上司から具体的な指示がない」という環境は、放っておくとあなたを消耗させますが、工夫しながら付き合っていけば、自走力を鍛えるトレーニング場にもなります。このブログでは、同じような悩みを抱える40代営業サラリーマンの目線で、他にも上司とのコミュニケーションや働き方についての体験談をまとめています。たとえば、板挟みで苦しかった時期を振り返った上司2人の指示が違う板挟みを抜け出した体験談も、今回のテーマと近いので、気になる方は読んでみてください。
制度や相談窓口の情報は変わることも多いので、正確な内容は厚生労働省や自治体などの公式サイトを必ず確認してください。また、心身の不調が強いときや、判断に迷うときは、産業医やカウンセラー、労働相談窓口など専門家への相談もぜひ検討してくださいね。
- 上司から具体的な指示がないときは、まず目的・優先順位・NGラインの3点を確認する
- 報連相は「1案件3回」「短く・こまめに」を意識して、上司の不安を減らす
- たたき台のA案・B案を用意して、指示待ちではなく「選んでもらう」スタイルに変える
- 手戻り回数や会議時間など、最低3つの指標を数値で記録しておく
- 半年続けても改善しない・心身が限界に近いときは、公的機関や専門家への相談も検討する



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