上司が会議に出てハンコを押すだけで、実務は部下に丸投げ──そんな状況が続くと、現場は疲弊し、心の中に「不平等だ」という言葉が居座ります。私も同じ壁にぶつかりました。そこで「嘆く前にできること」を探り、他部署連携・見える化・社内営業の3つを実行。結果として商材や仕事の幅が広がり、社内で「何かあったら相談して」と声がかかるようになりました。この記事では、体験に基づく具体手順と数字を交え、上司に依存しない働き方への小さな一歩を提案します。
- 嘆く前にできる3つの行動を、手順と所要時間で把握できる
- 他部署連携で仕事の幅を広げるコツと失敗回避ポイントがわかる
- 成果の見える化によって「不平等感」を減らす具体策を学べる
上司が仕事しない職場で感じた不平等とストレス
「上司は会議とハンコだけ」という日が続くと、タスクの偏りが慢性化し、残業は週3回・1日あたり1〜2時間増えるなど体感負荷が膨らみます。私の職場でも、意思決定の速度が遅く、現場判断に迷いが生まれました。何よりしんどかったのは、努力が見えづらく評価も揺らぐこと。心に浮かんだのは「不平等だな」のひとこと。そこで、環境に振り回されずに動ける余地がないかを探ることにしました。 職場で感じる不平等やストレスは、組織文化や上司との関係にも起因します。厚生労働省がまとめた「職場環境改善の手引きPDF」では、コミュニケーション改善とチームの信頼回復に役立つ実践策が紹介されています。 この記事では、そこで試した3つの行動と、起きた変化を具体的に共有します。
上司が仕事をしない・無能と感じた瞬間
印象的だったのは、重要見積2件を同日締切で抱えた日のこと。上司は会議に出ているだけで、リスク確認や価格方針の助言はゼロ。最終承認のハンコだけが必要で、実務はすべて私。結果として確認待ちで2時間ロスし、後工程の調整が夜にずれ込みました。「丸投げなのに口だけ出る」「責任は取らない」という瞬間が重なると、判断の質も速度も落ちます。仕事量は平常比+20〜30%、気持ちはどんどん擦り減っていきました。
「不平等だ」と感じたときの心の負担とメンタルケア
不満は放置すると拡大します。私の場合、睡眠時間が平均6.0時間→5.3時間に低下し、朝の集中力も落ちました。最初にしたのは、1日の終わりに10分の感情メモと、やったことを箇条書きで5項目記録すること。どこで負荷が上がるのか、上司の承認待ちがどれだけ遅延要因なのかを可視化すると、不満の「正体」が見えてきます。数値に置き換えるほど、次の打ち手を冷静に決めやすくなりました。
遅延の原因を1週間記録し、承認待ち時間を合計すると「何に疲れているか」を客観視でき、対処の優先度を付けやすくなります。
「上司ガチャ外れた」と思ったときに試した3つの行動
嘆いても環境はすぐには変わりません。私は「他部署連携」「見える化」「社内営業」の3つに絞り、最初の2週間で土台を作りました。ポイントは、直属上司に依存せずに進むルートを増やすこと。小さく動けば巻き込める仲間が見つかり、仕事が前に進みます。以下では、実際に行った順番と所要時間、周囲の反応まで具体的に紹介します。どれも1日15〜30分の投資から始められ、翌週には小さな変化が現れました。
① 他部署の上司に実務相談し、横のつながりを作った
最初の一歩は「信頼できる他部署の上司」を探し、週1回・15分だけ壁打ちの時間を確保することでした。案件の背景と課題をA41枚で共有し、意思決定の観点を借ります。3週間続けると、見積りやスケジュールの落とし穴が事前に見え、手戻りが30%減。そしてある日、「何かあったら、いつでも相談してくれ」と声をかけてもらえました。直属の上司が動かなくても、横の支援線があるだけで心理的な安定感が違います。
② 成果や進捗を見える化して“自分を守る仕組み”を作った
次に、タスク・成果・承認待ちを3色カンバンで整理(進行中=青/承認待ち=黄/完了=緑)。週次で所要時間・金額・納期を添えて共有します。効果は二つ。①承認待ちが業務停滞の要因だと誰の目にも明確になる、②自分の貢献が定量で残る。3か月で「承認待ち時間」は平均11.2時間→7.4時間に短縮、スループットは約1.4倍に。記録は自分を守る最小限の盾です。
③ 「社内営業」で信頼を積み上げ、評価のルートを増やした
社内営業といっても難しいことはしません。昼休みに月3回・20分の情報交換、週1度の進捗共有メール、四半期に1回の成果小報告(A4 1枚)。これだけで「頼れる人」が増え、依頼や共同案件が広がります。半年で他部署からの相談が月2件→月5件に増え、紹介された商材も3カテゴリ追加。直属の上司に左右されない評価導線が、静かに育っていきました。
最初の30日で「誰と何を月何回やるか」を決め、淡々と続けると、2か月目から相談件数が目に見えて増える傾向があります。
行動の結果、仕事の幅と信頼関係が広がった
3つの行動を回し始めてから、扱える商材と関わる部門が広がりました。具体的には、取り扱い商材が3→6カテゴリに増え、共同案件は月1件→月3件へ。上司が動かないという事実は変わらなくても、社内に「頼れる点」が点在すると、詰まりが解消しやすくなります。なにより、別部署の上司からの「何かあったら相談してくれ」のひと言が、日々の支えになりました。視野の広がりは、心の余白も増やしてくれます。
商材の取り扱いが増え、仕事の選択肢が広がった
他部署と連携するなかで、従来は触れなかったソリューションも扱えるように。結果として、月次売上の構成比がメイン商材偏重から分散し、リスクが下がりました。数字で見ると、共同案件の平均単価は18%上昇、見積〜クロージングのリードタイムも約20%短縮。学びの曲線が急に立ち上がる感覚があり、日々の意思決定も軽くなりました。
「相談してくれ」と言われた瞬間に感じた変化
「何かあったら、相談してくれ」。この言葉は、私の中で安心と自律のスイッチでした。孤立感が和らぎ、無理に直属上司へ期待しなくても良いと腑に落ちたのです。以降、定例で月1回・30分の壁打ちミーティングを継続。そこで得た視点を自部署へ持ち帰ることで、チームの手戻りも減少しました。言葉ひとつですが、行動を続けたから届いた「結果」だと感じます。
「月1回・30分の壁打ち」をカレンダーで先に押さえるだけで、相談の敷居が下がり、準備の質も安定しやすくなります。
上司に期待しすぎない働き方と視野を広げるコツ
この経験で強く感じたのは、部署に依存しすぎないことの大切さです。肩書きよりも、信頼できる関係線を社内に複数持つ。専門性を磨きながら、隣の領域の言語も理解する。これらはすべて、明日からの小さな習慣で育ちます。上司が動かない現実を嘆くより、自分が動ける余白にフォーカスする。視野が広がるほど、チャンスは自然と増えます。
部署にこだわらないキャリア構築の考え方
自部署×隣接領域の「掛け合わせ」を意識し、四半期に1つの新テーマで学習・実践・共有まで回します。例えば、営業×データ分析、企画×カスタマーサクセスなど。学んだことはスライド5枚にまとめ、社内LTで15分共有。半年後には語彙が広がり、部門横断の会話が増えます。役職よりも「話せる領域」が信用になります。
社内外の人脈を広げて“環境に左右されない自分”へ
人脈は量より頻度。社内なら「月3回・20分の情報交換」、社外なら「四半期1回の勉強会参加」など、続けられる枠を固定します。名刺の数より、相談できる関係が何本あるか。3〜5本の強い線があるだけで、上司の機嫌に左右されにくくなります。小さく継続する仕組みが、最終的にあなたを守ります。
「月3回・20分の社内雑談」を先に予定化しておくと、会わない言い訳が減り、横のつながりが自然に育つ傾向があります。
上司が仕事しないときのチェックリスト(社内で孤立しないために)
- 承認待ち・遅延時間を週次で合計(目安:10分)して可視化している
- 他部署の相談先を最低3名リスト化し、連絡手段を整えている
- 成果をA41枚で共有(数字・期日・影響範囲)できる
- 月3回・20分の情報交換や月1回・30分の壁打ちを予定化している
- 感情メモを1日10分つけ、反応ではなく行動に焦点を戻せる
- 「辞める/留まる」など意思決定の基準を3項目で持っている(健康・学び・裁量など)
| 施策 | 効果(件数/時間/割合) | メモ |
|---|---|---|
| 他部署の上司と週1・15分の壁打ち | 手戻り−30%/意思決定+20% | A4 1枚で背景共有、継続が肝 |
| 3色カンバンで見える化 | 承認待ち 11.2→7.4時間/週 | 進行/待ち/完了を色分け |
| 月3回・20分の社内営業 | 相談 2→5件/月/商材 3カテゴリ増 | 小報告(A4 1枚)を四半期配布 |
※数値は筆者の実践ベース。職場環境により変動します。
まとめ|「上司に頼れない環境」でも自分の可能性は広げられる
上司が仕事をしない状況で感じる不平等は、放置すれば自分を削ります。私が効いたと感じたのは、①他部署連携で視点を借りる、②見える化で自分を守る、③社内営業で評価ルートを増やす、の3つでした。これらは1日15〜30分の投資から始められ、2〜4週間で小さな変化が見えます。環境は変わらなくても、行動は選べる。あなたの努力を見ている人は、必ずどこかにいます。焦らず、しかし止まらず。今日の10分が、半年後の景色を変えます。
- 嘆く前に「他部署の相談線」を3本つくる(週1・15分)
- 承認待ち等を3色で見える化し、週次で共有する
- 月3回・20分の社内営業と、四半期の小報告を習慣化
- 感情メモ10分で「不平等」の正体を言語化する
- 四半期に1テーマ、隣接領域の掛け合わせを実践する
サトシ(営業マン/FP2級・宅建資格保持)
都内で会社員をしながら、日常の家計管理と資産形成を実践中。 過去に無理な節約で体調を崩した経験をきっかけに、 「暮らしの質を守りながらお金と付き合う」をテーマに情報発信しています。
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