営業職として働き始めた頃、私は「自分は営業に向いていない」と思い込んでいました。相手のニーズが読めず、売り込みをしているような罪悪感を抱く日々。商談の後にはいつも「何を聞けば良かったのだろう」と後悔が残りました。そんな私でも、信頼関係を積み上げる営業に切り替えたことで、見積もり依頼件数を約1.5倍に増やすことができたのです。この記事では、その克服のプロセスを具体的にお伝えします。
- 営業が苦手と感じる原因と心理の整理法がわかる
- 得意分野を活かして苦手を補う実践法が学べる
- 「売り込まない営業」で成果を出す考え方が身につく
営業が苦手だと感じた理由と当時の悩み
営業職として配属された最初の半年間は、毎日が試行錯誤でした。お客様の要望がわからず、こちらの提案が空回り。沈黙が続く商談や「また考えておきます」と言われる瞬間が怖くてたまりませんでした。成果を出さなければという焦りから、無意識に“売り込みモード”になっていたのです。
「営業に向いていない」と感じた瞬間
ある日、初訪問の顧客先で説明を始めた瞬間、相手の表情が曇り、「それはうちのニーズとは違う」と言われたことがありました。その帰り道、「自分は営業に向いていない」と何度もつぶやいていました。数字を追うよりも、相手の気持ちをつかむことが難しいという壁に直面したのです。
相手のニーズがわからず、罪悪感が募った日々
提案のたびに「押し売りしているかも」という罪悪感がつきまとい、会話がぎこちなくなっていきました。次第に「お客様に嫌われたくない」という思いが強くなり、質問も浅くなる悪循環に。営業は「説得」ではなく「理解」だと気づくまでに、数か月を要しました。
苦手意識は「失敗回数」よりも「成功体験の希少さ」から生まれます。1日1件でも前向きな接点を残すと、徐々に自信が回復します。
営業の苦手意識を克服するために試した工夫
克服のきっかけは、「苦手をなくす」のではなく「得意を活かす」発想に切り替えたことでした。私はIT関連の知識があったため、製品の技術面や操作性を説明する場面で力を発揮できました。その一方で、苦手なヒアリング部分は工夫と補助で補いました。
ITなど得意分野を活かして商談に自信をつける
専門的な説明が求められる顧客に対しては、IT知識を活かして分かりやすい資料を作成しました。顧客から「技術的に信頼できる」と言われたとき、自信が少しずつ戻ってきました。得意分野が会話の“土台”になると、自然と表情も声のトーンも変わることを実感しました。
ICレコーダーで聞き漏れを防ぎ、後から確認する仕組み
商談後の振り返りを重ねるために、ICレコーダーを導入しました。録音を聞き返すと、自分がいかに「説明ばかり」していたかが分かり、質問の少なさに気づきました。その後は「1商談で最低3つ質問する」と決め、改善を続けた結果、会話の流れが自然になりました。
メーカー同行など、苦手分野をサポートで補う
商品知識に自信が持てないときは、メーカー担当者に同行してもらいました。1〜2回の同行で、顧客との関係構築や製品の伝え方を学びました。サポートを頼る勇気が、苦手克服の第一歩だったと感じています。
ICレコーダーは自分の会話癖を客観視できる便利ツールです。1回15分の振り返りを週2回行うだけで、成長速度が上がります。
信頼関係を築いた結果、成果にどうつながったか
焦らず、相手との関係を育てる姿勢に変えたことで、結果にも変化が出ました。「すぐに売る」より「長く関わる」ことを意識した結果、見積もり依頼件数が約1.5倍に増加しました。数字以上に、自分への信頼が形になった瞬間でした。
小さな相談にも応えることで関係が深まる
あるお客様から「小さいことでも相談に乗って貰って助かる」と言われた時、心が温かくなりました。以前は“効率”ばかり考えていましたが、信頼は丁寧な対応の積み重ねだと実感しました。相談メール1通にも丁寧に返信することで、自然とリピート率も上がりました。
見積もり依頼件数が1.5倍に増えた理由
顧客の相談履歴をExcelで管理し、3か月単位でフォローを実施。提案のタイミングを逃さず、顧客の安心感を高めた結果、依頼件数が月6件から月9件へ増えました。数字の変化よりも、「頼られる実感」が何よりのモチベーションになりました。
フォローリストを月1回見直すだけでも成果が安定します。案件の温度感を数値(A/B/C)で分類すると行動が明確になります。
営業が苦手な人に伝えたい「売り込まない関係づくり」
営業とは、商品を売る仕事ではなく、相手の課題を一緒に解決する仕事。そう捉えるようになってから、会話の質が変わりました。焦って売り込むより、まず相手の状況を知り、役立つ情報を提供する。それだけで信頼の種は育ち始めます。
ホームランではなく、信頼をコツコツ積み上げる
一発逆転を狙うより、毎回の商談で1つの信頼を積み上げる。その姿勢が最終的に成果へとつながります。短期的な成約より、長期的な関係構築を意識すると、結果的に紹介やリピートが増えました。
誠実さと共感が成果を生む営業スタイル
「わからないことは調べて後で連絡します」と正直に伝える姿勢が、顧客の信頼を高めました。完璧さよりも誠実さを大切にすることで、会話が穏やかになり、商談の成功率が2割向上しました。
信頼は「返答速度×誠実さ」で積み上がります。返信は24時間以内を心がけると、顧客の安心感が大きく変わります。
営業苦手を克服するための実践チェックリスト
- 1商談につき最低3つの質問を用意する
- 商談録音を週2回聞き返し、改善点をメモする
- メーカーや先輩に月1回は同行を依頼する
- 顧客フォローリストを月1回更新する
- 返信・報告は24時間以内を徹底する
- 成功・失敗メモを3行で毎日残す
| 施策 | 効果(期間/成果) | メモ |
|---|---|---|
| ICレコーダーで商談録音+週2回振り返り | 1か月で質問数+30%増 | 聞き漏れ防止・会話改善に効果 |
| メーカー同行で知識補強 | 2回の同行で説明精度UP | 専門知識共有で信頼度向上 |
| フォローリストの月次更新 | 3か月で見積もり依頼1.5倍 | 顧客管理と関係維持に有効 |
| 24時間以内の返信ルール | 信頼度評価+20%(社内調査) | 誠実さの印象向上 |
※数値は筆者実績ベース。職種や顧客層により異なります。
まとめ|営業が苦手でも成果は出せる
営業が苦手でも、方法を変えれば成果は出せます。得意分野を活かし、苦手分野を補いながら、誠実に向き合う姿勢を続けることが大切です。焦らずに一歩ずつ信頼を積み重ねることで、あなたの営業スタイルは自然と形になっていきます。
- 得意分野を活かして自信を取り戻す
- 録音や同行で改善点を見える化する
- 短期成果より信頼の積み上げを重視する
- 誠実さと共感でリピート・紹介を増やす
営業が苦手な人の多くは、「話すことが下手」だからではなく、「相手の立場を理解する時間」が足りないだけです。営業はトークではなく、傾聴と共感の積み重ね。売り込まない営業スタイルこそが、現代の顧客に求められています。まずは一人ひとりの声を丁寧に拾い、ITやツールなど自分の得意分野を生かしながら関係を育てていく。これこそが「営業 苦手 克服」の本質です。焦らず、自分らしいペースで信頼を築いていきましょう。結果は、必ず後からついてきます。
サトシ(営業マン/FP2級・宅建資格保持)
都内で会社員をしながら、日常の家計管理と資産形成を実践中。 過去に無理な節約で体調を崩した経験をきっかけに、 「暮らしの質を守りながらお金と付き合う」をテーマに情報発信しています。
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