安定を手放した後輩の決断
僕の大学の後輩に、いわゆる「ホワイト企業」で働いていた人がいます。
残業は少なく、有給も取りやすく、福利厚生も整っている会社。社会人から見れば誰もがうらやむ環境でした。
しかし彼は数年後、「自分のやりたいことを見つけた」と言って会社を辞めてしまいました。
当時は希望に満ちた表情をしていましたが、数年経った今、彼は「正直、後悔している」と打ち明けてくれました。
この記事では、その後輩の体験を通して「ホワイト企業を辞める意味」や「働き方とお金のバランス」について考えていきます。
ホワイト企業に勤めていた頃の生活
働きやすさと安心感
後輩が働いていた会社は、典型的なホワイト企業でした。
- 残業はほとんどなく、定時退社が基本
- 有給休暇が取りやすく、長期休暇も可能
- 年収は同世代の平均以上、ボーナスも安定
- 福利厚生(住宅手当や退職金制度)がしっかり
彼は「就職先としては最高だった」と振り返ります。
それでも辞めた理由
それでも彼は退職を決断しました。
「このまま一生この会社で働くのかと思うと、挑戦しない人生で終わるのが怖かった」と言います。
社内の人間関係も良く、不満はほとんどありませんでした。むしろ「安定しすぎていて退屈」と感じるようになり、フリーランスや起業への憧れが募っていったそうです。
辞めた直後の高揚感と現実
自由を得た最初の数か月
会社を辞めて最初の数か月は、自由な時間に胸を躍らせていました。
朝は好きな時間に起きて、カフェで仕事をし、平日に旅行に行くこともできる。会社員では得られない解放感があったそうです。
SNSには「これからは自由に生きる」と意気揚々と書き込み、仲間から「すごい」「うらやましい」と言われて気分も高揚していました。
仕事が安定しない現実
しかし数か月後、その生活に陰りが見えてきました。
「案件が安定しない。月収が10万円台のときもあって焦った」と彼は語ります。
ホワイト企業時代は毎月安定した給料が振り込まれていましたが、フリーランスでは収入に波があり、生活費に困る月も出てきました。
「自由の代償はこんなに大きいのか」と実感したそうです。
後輩が感じた後悔
収入と社会的信用の低下
「一番大きな後悔は、収入と信用を失ったこと」と彼は正直に話します。
- クレジットカードの審査に通りにくくなった
- 賃貸契約で収入証明を求められ、不安を感じた
- 車や住宅ローンを組むのが難しくなった
ホワイト企業にいた頃は、当たり前に与えられていた「社会的信用」の大きさを痛感したのです。
メンタル面の負担
「ホワイト企業を辞めて自由になったはずなのに、心は軽くならなかった」と彼は言います。
収入の不安定さが常に頭をよぎり、夜も眠れない日が続きました。挑戦することが楽しさよりも不安に変わっていったのです。
働き方とお金のバランスを考える
安定を捨てるリスク
後輩の体験から学べるのは、ホワイト企業を辞めることは収入だけでなく社会的信用も失うリスクがある ということです。
「挑戦したい」という気持ちは大切ですが、そのために全てを手放すと、後で大きな代償を払う可能性があります。
自由と安定の両立は可能か?
挑戦と安定を両立させる道もあります。
- まずは副業から始めて実績を積む
- 社内異動で新しいチャレンジをする
- 貯金や投資で1〜2年分の生活費を確保してから独立する
後輩は「今思えば、会社にいながら副業を続ければよかった」と悔やんでいました。
後輩が学んだことと今の行動
節約と投資で立て直す
現在、彼はフリーランスを続けつつ、生活費の最適化に力を入れています。
- 格安SIMに乗り換えて通信費を削減
- 車を手放してカーシェアを活用
- 不要なサブスクを整理
こうして浮いたお金を積立NISAや仮想通貨の積立に回し、少しずつ資産形成を進めています。
「安定収入がないからこそ、未来の備えは必須」と語っています。
働き方の軌道修正
完全にフリーだけでは不安定なため、契約社員や派遣の仕事を並行し、収入を分散しています。
「自由と安定のバランスを探しながら働くことが、自分には合っている」と話していました。
まとめ:ホワイト企業を辞めた後悔から学べること
大学の後輩の体験から学べるのは、ホワイト企業を辞めることで得られる「自由」と引き換えに、「安定と信用」を失うリスクがあるということです。
挑戦すること自体は素晴らしいことです。
ただし、挑戦には準備が必要です。副業で試す、資産を蓄える、スキルを磨く。こうした準備をしてからでも遅くはありません。
後輩は今も模索を続けていますが、同時に「安定の価値」を痛感し、資産形成に力を入れ始めました。
働き方とお金は切り離せないもの。だからこそ、どちらも冷静に考えることが大切です。
あなたがもし「ホワイト企業を辞めたい」と考えているなら、その後に待っている現実を一度想像してみてください。
そして、挑戦と安定をどう両立するか、その答えを自分なりに見つけてください。
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