無能だと感じて仕事が辛い30代だった僕が抜け出したきっかけ【体験談】
本記事は、40代営業サラリーマンである筆者が、30代前半の頃に「自分は無能だ」と感じて仕事が辛かった時期を振り返った体験談です。特定の働き方やキャリアの選択肢を推奨したり、健康状態の診断を行うものではありません。心身の不調や働き方の判断が必要な場合は、会社の産業医や医療機関、厚生労働省など公的機関の情報もあわせてご確認ください。
「自分は無能なんじゃないか」「30代にもなってこのレベルは終わってる」――そんな言葉が頭の中でぐるぐる回り、仕事が辛くて仕方なかった時期が、僕にもありました。毎朝の出社が憂うつで、休日も心から休めない。そんな状態が長く続くと、「この先どうなってしまうんだろう」と不安になりますよね。
今は40代になり、あの頃より少しだけ肩の力が抜けてきましたが、それは「劇的な成功」をしたからではなく、小さな行動と考え方の変化を積み重ねてきたからだと感じています。仕事が辛い時期全体の話は、別の記事仕事が辛い時期の乗り越え方|私が救われた小さな行動と考え方にもまとめていますが、この記事では特に「無能だと感じていた30代」にフォーカスして書いていきます。
なお、当時はお金の不安も強くありましたが、この記事では主に「仕事のしんどさ」と「心の整え方」に絞ってお話しします。
この記事でわかること
- 30代で「自分は無能だ」と感じていた頃のリアルな状況と心の状態
- いきなり環境を大きく変えなくても、気持ちが少し軽くなった4つの行動
- 「無能=価値がない」という思い込みから抜け出すための考え方
- 限界を感じる前に知っておきたい、公的なメンタルヘルス情報・相談先
- 今日からできる、小さなチェックリストの具体例
当時の状況と悩み|「自分は無能だ」と決めつけていた30代前半
30代に入った頃、僕は営業職として働いていました。同じチームのメンバーは順調に数字を積み上げているのに、僕だけが月の目標を達成できない状態が続いていました。会議では上司から「なんでできないんだ」と詰められ、そのたびに心がどんどん縮んでいきました。
毎朝、出社前の電車に乗るだけで胃がキリキリ痛くなり、日曜日の夕方になると月曜のことを考えて憂うつになる。家に帰っても仕事のことが頭から離れず、妻や子どもと過ごしているのに、どこか上の空になってしまう。「月曜の仕事が辛いと感じていた頃の気持ち」で書いたような感覚が、30代の頃からすでに始まっていました。
一番しんどかったのは、「自分は無能で、社会に必要とされていないんじゃないか」と思い込む時間がどんどん長くなっていったことです。ちょっとしたミスや指摘があるたびに、「ほら、やっぱりダメだ」「30代にもなってこのレベルか」と自分を責め続けていました。
こうした「職場でのストレス」や「自分を責めすぎる状態」が続くと、心や体に不調が出てくることがあるとされています。厚生労働省が提供しているメンタルヘルス情報サイトでも、働く人のストレスと心の健康について基礎的な情報がまとめられています。心当たりのある方は、厚生労働省のこころの健康・メンタルヘルス情報ページもあわせて参照してみてください。
そんな状態が続くなか、「このままだと本当に倒れてしまうかもしれない」と感じたのが、行動を変え始めるきっかけでした。
私が実際にやったこと|環境と自分を少しずつ整えた4つの行動
派手な成功談ではありません。転職して年収が跳ね上がった、上司に認められて一気に評価が上がった――そんなわかりやすい話は出てきません。僕がやったのは、今の環境の中で「できる範囲の小さな行動」を少しずつ増やしていくことでした。
その中でも特に効果を感じた4つの行動を紹介します。
行動1:上司に正直に相談し、仕事の優先順位を一緒に整理した
まず取り組んだのは、「自分一人で抱え込むのをやめる」ことでした。ある日とうとう限界を感じ、「正直、今の仕事の回し方だといっぱいいっぱいです」と上司に打ち明けました。怒られる覚悟で話したのですが、返ってきた言葉は意外なものでした。
「お前だけじゃないよ。優先順位、ちょっと一緒に整理しようか。」
そこで一緒に、
- 今月絶対に外せない仕事
- できればやりたいけれど、期限を調整できる仕事
- 他のメンバーに手伝ってもらえる仕事
を洗い出し、スケジュールを組み直しました。すべてを「自分で完璧にこなさなければ」と思い込んでいたことに、このとき初めて気づきました。
また、身体的にもきつい時期は、上司から「たまには半休も使え」と言ってもらい、平日の午後に休みを取ることもありました。半休や有休を「ズル休みではなく、制度としてちゃんと使う」感覚を持てたことは、メンタル面でも大きな安心につながりました。このあたりの感覚は、仕事が辛くてズル休みした私の体験談と立ち直り方でもくわしく振り返っています。
上司への相談の切り出し方や、どのように話せば伝わりやすいかについては、別記事仕事が辛いとき上司に相談すべき?効果的な伝え方と注意点でまとめています。「何をどう言えばいいか分からない」という方はそちらも参考になるかもしれません。
行動2:睡眠と体調を立て直し、「土台」を整えることを最優先にした
当時の僕は、残業から帰ってきてからもスマホをいじり続け、寝るのは日付が変わってから。睡眠時間は常に5時間以下で、朝は頭がぼんやりしたまま出社していました。今思うと、「無能」と感じていたのは、単に体力と集中力が不足していただけの部分も大きかったと思います。
そこで決めたのが、「23時までには布団に入る」「朝は決まった時間に起きる」というシンプルなルールでした。最初から完璧には守れませんでしたが、週の半分でも守れると、日中の集中力が目に見えて変わってきました。
あわせて、朝に10〜20分だけ近所を歩くか軽く走る習慣をつけました。運動とメンタルヘルスの関係については専門的な話になりますが、実感として、朝に少し体を動かすだけでも「一日を自分のペースで始められた」という感覚が生まれました。
働く人の心の健康やセルフケアの基本的な情報は、厚生労働省の働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト「こころの耳」にもまとめられています。睡眠不足やストレスが気になる方は、公式サイトの情報も一度チェックしてみると、自分の状態を客観的に見直すきっかけになるかもしれません。
「休めない」「ずっと仕事のことで頭がいっぱいだった時期」のことは、別の記事仕事が辛いのに休めないと感じていた頃の気づきでも触れています。心当たりがある方は合わせて読んでみてください。
行動3:苦手を無理に克服するのではなく、「得意寄りの役割」に少しずつシフトした
営業としての数字を作ることに苦手意識があった一方で、僕は資料作成やデータ分析は比較的得意でした。そこで上司に、「訪問件数はチーム内で調整し、その分、全員の営業資料や数字のとりまとめを自分が担当できないか」と相談しました。
もちろん、営業としての目標がゼロになったわけではありませんが、「数字を作る」以外の形でもチームに貢献できるようになったことで、「自分は無能だ」という感覚が少し薄れていきました。苦手をゼロにするのではなく、「得意な部分を前に出す」イメージです。
この感覚は、40代になってから「不器用で仕事が辛いと感じる人へ|体験から学んだ生き方」という記事を書いたときにも、あらためて言語化できました。不器用さや苦手な部分があっても、「役割の置き方」を工夫することで、チームの中での立ち位置は変えられるのだと思います。
また、単純作業や社内での事務仕事が多い人は、「単純作業が辛い40代の私が見直した働き方と心の整え方」も参考になるかもしれません。「目立たない仕事」でも、見方を変えると価値のある役割はたくさんあると感じています。
行動4:比較対象を「周りの優秀な同僚」から「昨日の自分」に変えた
30代の頃の僕は、とにかく周りと自分を比べてばかりいました。
- 同期のあいつはもう管理職なのに、自分はまだこのポジションか
- 後輩のほうが数字も出していて、自分はいよいよ終わっているのでは
そんな比較を続けているうちは、どれだけ頑張っても「無能感」は薄れませんでした。そこで意識的に、比較の矢印を変えることにしました。
- 先月よりも、報告メールを短く分かりやすく書けたか
- 昨日より5分だけ早く寝られたか
- 今日は一つでも「できたこと」をメモできたか
この「昨日の自分との比較」に慣れてくると、少しずつですが、「無能だから全部ダメ」という極端な考えが減っていきました。「繊細な気質で仕事が辛かった時期」のことは、別の記事繊細さんが仕事で辛い時期を抜けた体験談|心の工夫にもまとめていますが、敏感なタイプほど自分を責めやすいので、比較の矢印を変えるだけでもかなり楽になると感じています。
また、人前で話すのが苦手で「口下手だから無能だ」と感じていた時期には、口下手で仕事が辛かった私が気づいた意外な突破口を書きながら、自分の強みは「よく話すこと」ではなく「よく聞くこと」にあるのだと気づけたのも大きかったです。
そこで得た気づき|「無能=価値がない」ではなかった
これらの行動を続けるうちに、少しずつですが考え方も変わっていきました。
気づき1:数字がすべてではなく、「チームでどう機能しているか」も大事だった
営業として数字を出せる人はもちろん貴重です。ただ、それだけが価値ではなく、資料づくりや情報整理、後輩のフォローなど、チームの土台を支える役割も重要だと実感しました。
「無能」と決めつけていたのは、自分が勝手に「評価のものさし」を狭くしていたからだと思います。視野を少し広げるだけでも、「自分にも提供できる価値がある」と思える場面は増えていきました。
気づき2:「できないところ」ではなく「できるところ」に目を向けると、行動が変わる
失敗やミスばかり見ていると、どうしても行動が止まってしまいます。逆に、
- 今日は上司に相談できた
- メモのおかげで、会議で言いたいことを落とさず話せた
- 昨日より5分早く寝られた
といった「できたこと」に目を向けるようになると、次の小さな一歩も踏み出しやすくなりました。このあたりの感覚は、40代になってから書いた仕事が辛い時期の乗り越え方でも共通しているなと感じます。
気づき3:気質や性格は「直すもの」ではなく、「扱い方を工夫するもの」だった
繊細さ、人見知り、口下手さ、不器用さ――こうした特徴を全部「直すべき欠点」として捉えていた頃は、本当にしんどかったです。でも、
- 人の表情の変化に気づきやすい → 顧客の本音を拾いやすい
- 慎重でミスが気になる → 書類チェックや資料作成を任されやすい
- 話すのは苦手だけど聞くのは得意 → 聞き役として信頼されやすい
といったふうに、「どう活かせるか」に目を向けてからは、少しずつ自分を認められるようになりました。
「無能で仕事が辛い」と感じたときに知っておきたい公的な情報・相談先
ここまで書いてきたことは、あくまで一人の会社員としての経験談です。ただ、「仕事が辛い」「自分を責めてしまう状態が続いている」と感じるときは、自分だけでなんとかしようとせず、公的な情報や相談窓口も知っておいてほしいと感じています。
働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト「こころの耳」
厚生労働省が提供している働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト「こころの耳」では、ストレスとの付き合い方やセルフケアのポイント、電話・メール・チャットで相談できる窓口の情報などがまとめられています。「会社には言いづらいけれど、誰かに聞いてほしい」というときの入り口としても使いやすいサイトです。詳しくは公式サイトも参照してみてください。
5分でできる職場のストレスセルフチェック
同じく「こころの耳」では、簡単な質問に答えることで自分のストレス状態を振り返る職場のストレスセルフチェックも提供されています。あくまで目安ではありますが、「自分はまだ大丈夫」と思っていた人が、意外と負荷がかかっていたことに気づくケースもあるようです。
過重労働やメンタルヘルス対策に関する情報
長時間労働や職場のストレスが健康障害につながることを防ぐために、国としても対策が進められています。過重労働による健康障害の防止やメンタルヘルス対策の概要は、厚生労働省の過重労働による健康障害を防ぐためにや、ストレスチェック等の職場におけるメンタルヘルス対策にも掲載されています。「どのくらいの働き方が危ない状態なのか」を知るうえでも、一度目を通しておくと安心材料になるかもしれません。
チェックリスト:今日からできる小さな一歩
最後に、「無能だと感じて仕事が辛い」と悩んでいる今の状態からでも、今日から試せそうな小さな一歩をまとめてみました。全部をやる必要はまったくありません。気になったものを1つだけ選んでみるイメージで大丈夫です。
- 上司や信頼できる同僚に、「実は今の仕事の回し方がしんどくて…」と一言だけ相談してみる
- 今抱えている仕事を書き出し、「絶対に外せない」「後回しにできる」に分けてみる
- 今週のうちに一度、23時前に布団に入る日をつくってみる
- 通勤前か帰宅後に、5〜10分だけ早歩きやストレッチをしてみる
- 一日の終わりに、「今日できたこと」を1つだけメモしてみる
- 「自分は無能だ」と感じたとき、その根拠になっている出来事を書き出してみる
- 心の状態が気になるときは、ストレスセルフチェックなど公的なツールを一度試してみる
- 他人ではなく、「昨日の自分」と比べて少し良くなった点を探してみる
まとめ:「無能」と決めつける前に、できることは思っているより多い
30代の頃の僕は、心のどこかで「自分は無能だ」「この先もずっと評価されないままなんじゃないか」と決めつけていました。でも今振り返ると、その多くは「疲れ」と「比較」と「思い込み」によって、必要以上に自分を厳しく見ていただけなのかもしれません。
上司に相談して仕事の優先順位を整理すること。睡眠や生活リズムを少し整えること。得意な部分を前に出すよう役割を調整すること。そして、「昨日の自分」との小さな差に目を向けること。どれも地味な一歩ですが、積み重ねていくうちに、「自分は本当に何もできないわけではない」と思える瞬間が少しずつ増えていきました。
もちろん、この記事で書いた方法がすべての人に当てはまるわけではありません。人それぞれ、置かれている状況や体調、家庭の事情は違います。具体的な判断をするときは、職場のルールや公的機関の情報、必要に応じて医師や専門家の意見も参考にしながら、「自分と大切な人を守る一歩」を少しずつ選んでいってもらえたらうれしいです。



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