「こどもNISA」という言葉をニュースで見かけて、「うちの子の教育費にも使えるらしい」と気になっている方は多いのではないでしょうか。2027年1月から始まる予定のこの新制度は、0~17歳の子ども名義で年間60万円まで、非課税で投資ができる仕組みです。教育費の準備方法として一気に注目度が高まっています。この記事では、制度の中身をわかりやすく整理したうえで、「うちの場合、目標の教育費にいくら届くのか」を試算できる無料シミュレーターも用意しました。▶ まずシミュレーターを試してみたい方はこちら
筆者のサトシは都内在住・2児の父です。50代の会社員として、自分自身の老後資金と子どもたちの教育費を同時に考えなければならない世代の一人として、この制度をどう活用すべきか実体験を交えてお伝えします。
こどもNISAとは?2026年度税制改正の要点
こどもNISAとは、令和8年度(2026年度)税制改正大綱で示された、0~17歳の未成年者を対象とする新しい非課税投資制度です。財務省が公表した令和8年度税制改正の大綱(財務省PDF)↗では「非課税口座の口座開設可能年齢の下限を撤廃する」と明記されており、これまで18歳以上に限られていたNISA口座を、生まれた年から開設できるようになります。制度の開始は2027年1月が予定されています。
制度の骨子を整理すると、次のようになります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象年齢 | 0~17歳(口座開設可能年齢の下限を撤廃) |
| 年間投資枠 | 60万円(つみたて投資枠と同様の枠組み) |
| 非課税保有限度額 | 600万円 |
| 非課税保有期間 | 無期限 |
| 対象商品 | 長期・積立・分散投資に適した一定の投資信託(個別株は対象外の方向) |
| 払い出し | 原則制限あり。12歳以降は教育費等の用途で条件付き払い出し可能 |
| 18歳以降 | 成人向けNISA(つみたて投資枠)へ自動移行 |
通常の投資では運用益に約20.315%の税金がかかりますが、こどもNISAで運用した利益は非課税になります。仮に600万円分を積み立てて運用益が700万円出たとしても、本来なら約142万円かかる税金が一切かからない計算です。この非課税メリットの大きさが、教育資金づくりの手段として注目されている理由です。
ジュニアNISAとの違い
「ジュニアNISAと何が違うの?」と思う方も多いはずです。2023年末で新規受付を終了したジュニアNISAと比べると、こどもNISAは使い勝手が大きく改善されています。
| 項目 | ジュニアNISA(旧制度) | こどもNISA(新制度) |
|---|---|---|
| 非課税保有期間 | 原則5年間 | 無期限 |
| 払い出し制限 | 原則18歳まで不可(途中払出しは課税対象) | 12歳以降は条件付きで可能 |
| 投資対象 | 投資信託・個別株など | 長期・積立・分散に適した投資信託に限定の方向 |
| 年間投資枠 | 80万円 | 60万円 |
最大の違いは、非課税期間が無期限になったことと、12歳以降であれば教育費・生活費目的での払い出しが条件付きで認められるようになった点です。ジュニアNISAは「原則18歳まで引き出せない」使いにくさが敬遠される一因になっていたため、この改善は家計にとって大きなメリットといえます。
払い出しルールを年齢別に整理する
こどもNISAの資産をいつ、どんな条件で引き出せるのかは、制度活用のカギになる部分です。年齢に応じて次のように整理できます。
| 年齢 | 払い出しの可否 | 条件 |
|---|---|---|
| 0~11歳 | 原則不可 | 災害で自宅が全壊した場合など、税務署長の確認を受けた特別な事情に限る |
| 12~17歳 | 条件付きで可能 | 入学金・授業料など教育費や生活費への充当が用途。子ども本人の同意と親権者による書類提出が必要 |
| 18歳以降 | 自由 | 成人向けNISA(つみたて投資枠)へ自動移行し、非課税のまま保有・売却が可能 |
中学受験や高校進学のタイミングでまとまった費用が必要になる家庭にとって、「12歳から使える」という点は現実的な選択肢になります。ただし払い出しには親権者による書類提出と子ども本人の同意という手続きが必要になる見込みで、思い立ってすぐに引き出せるわけではない点は押さえておきましょう。
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教育費や制度へのアクセス格差が子どもの将来の選択肢に影響することについて、家族の実体験を交えて書いた記事です。
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ここからは、実際に「お子様の年齢」「目標とする教育費」「月々の積立額」「想定利回り」を入力して、18歳時点でいくらになりそうかを試算できる無料ツールです。目標額に届くかどうかだけでなく、「あと何年早く始めれば届いたか」まで表示するので、積立額の見直しの参考にしてください。
🧮 こどもNISA教育費シミュレーター
※本シミュレーションは一定の前提に基づく概算です。実際の運用成果を保証するものではありません。年間投資枠60万円・非課税保有限度額600万円を超える積立額は上限で調整して計算しています。
学資保険との比較|メリット・デメリット
教育費の準備方法として長く使われてきたのが学資保険です。こどもNISAが始まると、どちらを選ぶべきか迷う家庭は多いはずです。それぞれの特徴を整理します。
| 比較項目 | こどもNISA | 学資保険 |
|---|---|---|
| 元本保証 | なし(市場価格により変動) | あり(多くの商品で満期時に元本以上を保証) |
| 期待リターン | 年率3~7%程度(想定・変動あり) | 年率0.5~1%台が中心(低金利の影響) |
| 保障機能 | なし | 契約者(親)に万一のことがあった場合の保険料払込免除など |
| 資金の柔軟性 | 12歳以降は条件付きで一部払い出し可 | 原則満期まで解約しづらい(元本割れリスク) |
| 税制優遇 | 運用益が非課税 | 生命保険料控除の対象(上限あり) |
元本保証と万一の保障を重視するなら学資保険、長期の非課税運用で資産を増やす可能性を取りたいならこどもNISA、という住み分けになります。実際には「学資保険で最低限の保障を確保しつつ、余裕資金はこどもNISAで運用する」という併用スタイルを検討する家庭も増えると見られています。どちらか一方に絞る必要はなく、家計の状況やリスク許容度に応じて配分を決めることが大切です。
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①元本割れのリスクがある
こどもNISAは投資信託を通じた運用のため、学資保険のような元本保証はありません。相場の下落局面では評価額が積立元本を下回る可能性があります。教育費という「使う時期が決まっているお金」を扱う以上、目標時期が近づいたら値動きの大きい商品から徐々に安定資産へシフトするなど、出口を意識した運用を考えておく必要があります。
②贈与税に注意(祖父母からの資金提供)
祖父母が孫のこどもNISA口座に資金を入れたいと考えるケースは多いはずです。この場合、年間110万円の基礎控除を超える金額を一括で贈与すると贈与税が発生する可能性があります。国税庁の速算表によれば、直系尊属からの贈与(特例贈与財産)であっても、基礎控除後の課税価格が200万円を超えると10%以上の税率がかかります。まとまった金額を検討する場合は、年間110万円以内に分けて贈与する、または教育資金の一括贈与に関する非課税措置など他の制度もあわせて確認することをおすすめします。
③投資対象商品が限定される見込み
ジュニアNISAでは個別株も購入できましたが、こどもNISAはつみたて投資枠と同様、長期・積立・分散投資に適した一定の投資信託に限定される方向で制度設計が進んでいます。値動きの大きい個別株での運用はできない前提で考えておいたほうがよいでしょう。
④制度の詳細は今後変更される可能性がある
本記事の内容は令和8年度税制改正大綱の時点での情報に基づいています。財務省の税制改正大綱では「非課税口座の口座開設可能年齢の下限を撤廃する」といった方向性が示されていますが、実際の施行までに詳細が調整される可能性があります。口座開設の直前には金融機関や金融庁の最新情報を必ず確認してください。
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投資額を増やすことばかりに気を取られると、生活が苦しくなる「NISA貧乏」に陥るリスクもあります。教育費の準備でも同じ注意が必要です。
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👨👩👧👦 筆者サトシの実体験(50代・2児の父)
私には現在中学生と小学生の子どもが2人います。子どもが生まれた当初は「教育費はその時々でなんとかなるだろう」と正直あまり深く考えていませんでした。しかし上の子が中学受験を意識し始めたころ、塾代だけで月数万円、さらに私立を選べば入学金・授業料が数百万円単位で必要になるという現実を知り、かなり焦った記憶があります。
当時はジュニアNISAが「18歳まで引き出せない」使いにくい制度だったため、結局は普通預金と学資保険だけで備えることにしました。今振り返ると、非課税で長期運用できる制度をもっと早く、もっと柔軟に使えていればと感じる部分は正直あります。こどもNISAが2027年に始まれば、12歳以降は教育費として条件付きで引き出せるようになる予定です。これは「貯めるだけで使いにくい」制度から「必要なときに使える」制度への大きな進化だと感じています。
もう一つ実感しているのは、教育費の準備は「いつ始めるか」で結果が大きく変わるということです。同じ月2万円の積立でも、0歳から始めるのと10歳から始めるのとでは、複利で運用できる期間が倍近く違います。焦って始めた自分の経験から言えるのは、完璧な準備ができていなくても、まずは無理のない金額で始めてみることが一番の近道だということです。
よくある質問(FAQ)
Q1. こどもNISAはいつから始まりますか?
令和8年度税制改正大綱に基づき、2027年1月からの開始が予定されています。詳細な口座開設手続きは、施行が近づくにつれて各金融機関から案内される見込みです。
Q2. こどもNISAの年間投資枠と非課税保有限度額はいくらですか?
年間投資枠は60万円、非課税保有限度額は600万円です。非課税で保有できる期間は無期限とされています。
Q3. ジュニアNISAとの一番の違いは何ですか?
最大の違いは、非課税保有期間が無期限になったことと、12歳以降であれば教育費・生活費目的で条件付きの払い出しが可能になった点です。ジュニアNISAは原則18歳まで引き出せませんでした。
Q4. 祖父母がこどもNISA口座にお金を入れても贈与税はかかりませんか?
金額によってはかかる可能性があります。年間110万円の基礎控除内であれば贈与税はかかりませんが、それを超える一括贈与では贈与税が発生する場合があります。詳しくは国税庁のタックスアンサーをご確認ください。
Q5. こどもNISAと学資保険、どちらを選ぶべきですか?
元本保証と保障機能を重視するなら学資保険、非課税での運用効果を重視するならこどもNISAが向いています。どちらか一方に絞らず、学資保険で最低限の保障を確保しつつ、余裕資金をこどもNISAで運用するという併用も選択肢の一つです。
Q6. 制度開始前の今、何をしておけばいいですか?
2027年1月の制度開始前でも、親自身のNISA口座(つみたて投資枠)を教育資金の準備に活用することは可能です。生涯1,800万円の非課税投資枠のうち一部を子どもの将来のために積み立てておき、制度開始後にこどもNISAへ資金を振り分けていくといった準備の仕方も考えられます。また、家計の固定費を見直して積立原資を確保しておくことも、今からできる有効な準備です。
まとめ
こどもNISAは、2027年1月の開始が予定されている、0~17歳の子ども名義で年間60万円・非課税保有限度額600万円まで非課税運用ができる新制度です。ジュニアNISAと比べて非課税期間が無期限になり、12歳以降は教育費目的での払い出しも条件付きで可能になるなど、使い勝手が大きく改善されています。
一方で、元本保証がないこと、投資対象商品が限定される見込みであること、祖父母からの資金提供には贈与税の注意が必要なことなど、押さえておくべきポイントもいくつかあります。学資保険との使い分けも含めて、家計全体のバランスの中で検討することが大切です。
教育費の準備で何より重要なのは「いつ始めるか」です。制度の開始を待つ間にも、親自身のNISA口座を活用したり、家計を見直して積立原資を確保したりと、今からできることがあります。この記事のシミュレーターで、まずはご家庭の目標教育費にどれくらい届きそうか、一度試算してみてください。

